■IT導入補助金の拡充
中小企業庁は1月、令和3年度の補正予算にて、IT導入補助金について拡充することを発表しました。
本年度の補正予算では「デジタル化基盤導入枠」が大きなポイントとなりますが、
具体的な拡充内容は以下の通りです。
①会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに補助対象を特化し補助率引き上げ
補助額 ~50万円以下 :補助率3/4(1/2から引き上げ)
補助額 50万円超~350万円 :補助率2/3(1/2から引き上げ)
※導入する機能数に応じて、補助上限額が変わる可能性があります。
②クラウド利用料を2年分まとめて補助
月額費用、年額サービス利用料、システム保守費用といった、
クラウドの利用に係る費用を最大で2年分補助
③PC・タブレット、レジ・券売機等の購入を補助対象に追加
【PC・タブレット】補助額 上限10万円:補助率1/2
【レジ・券売機等 】補助額 上限20万円:補助率1/2
参照:中小企業庁「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)令和3年度補正予算の概要」
⇒ https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/IT.pdf
上記のようなITツールの導入を推進し、デジタル化を支援する背景には、
令和5年10月から導入される「インボイス制度」への対応に備えてもらうという狙いがあるようです。
■インボイス制度とは
令和5年10月1日から、複数税率に対応した消費税額の仕入税額控除の方式として、
「適格請求書等保存方式」(いわゆるインボイス制度)が開始されます。
インボイス制度下では、「区分記載請求書」(令和5年9月30日までの間、仕入税額控除のため保存が必要な請求書等)に代えて
「適格請求書」(いわゆるインボイス等)と帳簿の保存が仕入税額控除の要件となります。
「適格請求書」とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段であり、
一定の事項が記載された請求書や納品書等のことを指します。
また、「適格請求書」には、区分記載請求書等に必要とされる記載事項に加え、
次の事項の記載が必要となります。
・登録番号
・適用税率および税率ごとに区分した消費税額等
なお、適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、
登録を受ける必要があるのですが、税務署における審査を経て、適格請求書発行事業者として登録された場合に登録番号が通知されます。
参照:国税庁「適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)」
⇒ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm
上記のように、インボイス制度が導入されると請求書の管理がより複雑になります。
現在、会計システムを導入していない事業者は、IT導入補助金を活用して、インボイス制度が始まる前に
会計ソフトの導入をするのもいいかもしれません。
なお、現在会計システムを使っている事業者も、利用しているシステムがインボイス制度に対応できるかどうか、
確認をする必要もありそうです。
(担当:関根)