税金

「令和3 年度税制改正の大綱」のポイント

令和2 年12 月21 日に閣議決定された「令和3 年度税制改正の大綱」より、主な改正項目をピックアップしてご案内します。
(令和3 年1 月22 日現在財務省その他省庁のサイトで公表されている資料を基に作成)

〇個人所得課税
・住宅ローン控除の特例の延長等
 消費税率10%が適用される住宅の取得等をした場合の控除期間13 年の特例について、
  ①令和 4 年末までの入居者を対象に、一定の条件下、適用期限を延長
  ②この延長した部分に限り、合計所得金額1,000 万円以下の者について面積要件を
   40㎡以上に緩和(現行50 ㎡以上)
 
・退職所得課税の適正化
 雇用が流動化している現状にあわせ、勤続年数5 年以下の退職者(法人役員等以外)に
 対する退職金については、
  ①2 分の1 課税の適用に上限を設け、退職所得控除額を控除した残額のうち300 万円
   を超える部分については適用しない
  ②令和 4 年分以後の所得税に適用
  ③個人住民税も所要の措置を講じる

〇資産課税
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充
 直系尊属からの住宅取得等資金贈与に対する贈与税の非課税措置について、
  ①現行の措置を令和3 年4 月1 日以降も維持し、令和3 年末まで適用
  ②合計所得金額 1,000 万円以下の者について面積要件を40 ㎡以上に緩和

・教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
 節税目的での制度利用を防止するため、祖父母等から孫等に対する教育資金の一括贈与
 に係る贈与税の非課税措置について、贈与者である祖父母が死亡した場合、
  ①贈与からその死亡の日までの年数に関わらず、贈与者死亡時の管理残額を相続等に
   より取得したものとみなす
  ②贈与者死亡時の残高に係る相続税額に 2 割加算を適用
  ③令和3 年4 月1 日以後の信託等により取得する信託受益権等に適用
  ④適用期限を 2 年間延長(令和5 年3 月31 日まで)

〇法人課税
・人材確保等促進税制にリニューアル
 ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた人材獲得・育成への投資促進のため、現行の中
 堅・大企業向け賃上げ税制を人材確保等促進税制にリニューアル
  ①新規(新卒・中途)雇用者の給与等支給総額が前年度より2%以上増加した場合
  ②給与等支給総額の 15%を税額控除(教育訓練費が前年度より20%以上増加した場合、さらに5%上乗せ) 
  ③令和 4 年度末まで適用

・所得拡大促進税制の見直し・延長
 雇用を増やすことにより所得拡大を図る企業も評価できるよう、見直し・簡素化
 ①企業全体の給与等支給総額を前年度比1.5%以上増加させた場合、増加額の 15%を税額控除(2.5%以上増加等でさらに10%上乗せ)
 ②適用期限を 2 年間延長(令和4 年度末まで適用)

・中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長
 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例(租税特別措置法により19%⇒15%に軽減)を2 年間延長

〇その他
・税務関係書類における押印義務の見直し
 行政改革に伴い、 税務署長等に提出する国税関係書類の押印義務を廃止(実印・印鑑証明書を求めている手続等を除く)
  ・地方公共団体の長に提出する地方税関係書類についても、押印不要に
  ・令和 3 年4 月1 日以後に提出する税務関係書類、地方税関係書類に適用
  ・令和 3 年3 月31 日以前についても、今回押印不要となった税務関係書類については、押印がなくとも改めて押印は求められない

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。